パニエについて

現在ゆめりすとで扱っているパニエについて、どうしてこんなラインアップになっているのか、という問題ついて考えてみました。

1.ドレスのライン取りについてですが、「ゆめりすと」では、ドレスのラインをAラインとプリンセスラインの二つ分けています。本来、ドレスのラインはこの二つだけではなく、Hライン、マーメイドラインなど多くの形状が存在しますが、ゆめりすとで作っているドレスのほとんどがこの二つの種類のみなので、Aラインとプリンセスライン以外を無視しています。

2.ボリュームを出すために、ワイヤーを使う方法と、チュールのような硬い生地を使って支える方法がありますが、ワイヤー入りを使うと座ることが難しいため、楽器演奏の分野ではワイヤ入りパニエはあまり使われません。当店でも、ワイヤ入りパニエは扱っておらず、チュールを使って支えるパニエのみを扱っています。

3.本来は、AラインドレスにはAライン用パニエ、プリンセスラインドレスにはプリンセスライン用パニエをつかうべきなのですが、ピアノ、管楽器、打楽器など、座った状態で演奏する場合は、プリンセスラインドレスにプリンセスライン用パニエを使うと、おなかのあたりのボリュームが出過ぎてしまい、楽器の上にかぶさって、鍵盤が見えない、弓があたる、等の問題が起きる場合があります。立ったままのバイオリンソロのような場合は例外ですが。結局のところ、20年近い経験の中で、楽器演奏の分野では、どちらのラインであっても、スカートの裾を広げるためのAラインパニエ1種類のみで十分なのではないか、という結論に至っております。どうしてもふんわりとしたボリュームがほしい場合は、パニエを2枚重ねて使うとかなりボリュームが出ます。腰のあたりだけボリュームが増えるのでよければ、短いパニエ+長いパニエ、全体的にボリュームを増やしたければ長いパニエ+長いパニエという方法になります。

5.パニエのもうひとつの役割として、スカートの裾を広げて、踏まないようにする・歩きやすくするという用途があります。どちらかと言うと、ボリュームよりもこちらのほうが重要視されてきています。スカートを踏んでしまうと、スカートの裾部分の生地へのダメージはもちろんですが、人間の精神的なダメージほうが大きいのではないかと思います。楽器演奏の分野では、歩きやすさとか、特にピアノ演奏ではペダルさばきの問題のほうが重要ということのようです。

6.身長と総丈(スカートがどの位置にあるか)の関係で、パニエの長さのバリエーションが必要になります。現在、ミドル丈パニエ(40cm 50cm 60cm)ロング丈パニエ(70cm 80cm 90cm)というバリエーションを揃えています。